営業第5部 K.S
みなさんがスーパーでよく見かけるモーリタニア産タコ。でも、モーリタニアってどこ?という人が多いのではないでしょうか。モーリタニアは日本から見たら地球の裏側。アフリカ大陸・サハラ砂漠の西端にその国はあります。正式な国名はモーリタニア・イスラム共和国と言います。国土はなんと日本の約3倍、しかも国土の3/4は砂漠というまさに「砂漠の国」です。
気候は雨季の日中は40℃を超え、乾季の夜は5℃前後と寒くなります。砂が霧のように空中を舞い視界を遮る砂嵐もあります。まさにここは砂漠。そんなモーリタニアでタコ担当の私は1年の約半分を過ごしています。
モーリタニアではこのような砂漠気候にも負けずに良質なタコを日本に届けるため、生産者との買付交渉はもちろんのこと、漁獲期間中は日々工場に入荷されるタコの品質チェックや漁民からの情報収集、契約技術者との生産の打合せ、検品など業務は多岐に渡って行っています。
話は戻りますが「私がなぜモーリタニアにタコの買い付けに行くのか」というと、モーリタニア産タコは日本に輸入されてくるタコの実に約4割を占めています。日本にとっては、一大供給国なのです。
西アフリカ沿岸にはもともと清浄な海域が広がり、タコの生息に適した広範な岩場があります。さらに、水温や塩分濃度の変化が少ない点がタコの生息に適しており、タコの餌になる貝や甲殻類も豊富にあることから、ここはタコにとっては最高の環境なのです。
モーリタニアのタコの漁獲方法には小船(5~6人)による壷漁、釣漁と大型トロール船による底引き網漁があります。小船の大きさは約10メートル。この船で大西洋外洋に出漁しています。
現在行われているタコ漁獲は、1960年代より日本船が西アフリカ海域にて入漁して捕獲を開始、以来我々グループの先輩方々がタコの漁獲方法、漁獲後の鮮度保持、選別や凍結方法などの技術指導を行った結果、現在でも同じ手法が引き継がれております。
以上のように日本とモーリタニアは今日までタコを通じて深い絆で結ばれているのです。
私たちは先輩方々が築き上げた歴史を絶やさぬよう今後も品質の良いタコを日本の消費者に届けるために努力を重ねていきます。